毎年、夏の最高気温が更新されていますが、コンプレッサーにとっても人と同じように過酷で、一昨年、昨年に引き続き、今年もオイル劣化案件が発生しました。

コンプレッサーの制作メーカーを問わず、吸い込み温度外気温30度以下で設計されているコンプレッサーから、設置条件の変更なしに吸い込み温度40度で設計されているコンプレッサーに更新した場合の注意点を以下に示します。

・ 基礎架台の検討 → 同じ出力のコンプレッサーでも乾燥重量が増えています。

・ 電源設備 → IE3モーター搭載機が主流のためブレーカー容量および動力線の太さが大きくなっています。

・ 吐出配管 → 吐出空気量が増えていますので、配管サイズが太くなっています。

・ 排気ダクト → 排気熱量が増えています。

上記のとおり、ほとんどの部位においてサイズアップされていますので、当然ながら発生熱量(必要排気量)も増えている事になります。

この状態において、従来の既設機の設備を流用した場合、発生熱量の排出が不完全な状態になる場合があります。

この状態で長期間(数千時間)運転した場合、オイルが高温に耐えられなくなりオイル劣化が発生してしまいます。

吸い込み温度外気温30度では、温度上昇の警報で異常停止を起していたコンプレッサーが、吸い込み温度外気温40度ではオイルの耐久性が著しく低下します。

コンプレッサーにとってのオイルは生命線なのです。

一度、オイル劣化をしてしまうとオイル回路の脱脂洗浄が必要になります。(全分解オーバーホール+脱脂洗浄)

これは、かなり高額な修理費となりますで、絶対に避けたいところです。

タール状になったオイルで覆われ、鋳物の地肌が見えません。